LLR単独ライブ「夕凪の街桜の国」 2011.2.23


待ちに待ったLLRの単独ライブである。今回も2日間見にいける幸せものである。こんなものが半年に1回ある幸せを噛み締めるのである。
前回は1日目が終わった後、おもしろいとは思ったものの「漫才が足りない!」とモヤモヤし、2日目を見てやっと満足感を得たのだけれど、今回は1日目にしてこの満足感!すべての漫才が素晴らしかった。明日もまったく同じ内容でも問題ない!と思った。 
<前説> 
前説はかたつむりだった。また中澤章吾も来ていたけれど、そりゃあくるさ、とみんなが思っており、前回前々回のような「ひゃー!」という声はなかった。LLRもかたつむりも両方とも律儀だな、と思う。




「ロールキャベツ系男子」 (漫才) 
草食系、肉食系に続きロールキャベツ系男子というのがあるらしい、一見草食だが中身は肉食という男子のこと。それ以外にもそういう「なんとか系男子」がいるらしい、と言って、色々な〜男子を挙げていくのだった。
単純にボケを重ねていくタイプのネタだけれど「〜系女子」やら思わぬものが出てきて俄然おもしろくなるのだった。思いつきだけで作ったであろう、くだらなくて楽しいネタだった。 


「いいヤツ」 (コント) 
ムダに不幸を背負った福田が彼女にフラれた伊藤を慰めるのだった。コントのなかでは一番よかった気がする。福田がいいヤツなんだか、なんだんだか分からないのが可笑しい。 


「結婚式の二次会で出会いを」 (漫才) 
これは唯一コントに入る漫才だった。多分に間をとったボケも可笑しいし、後半の伊藤のツッコミが過剰なのが面白かった。福田が「出し物」をするの部分があったのだが、今までのLLRにはない感じでとても面白かった。 


「都会の喧騒」 (コント) 
バーにやってくる伊藤とバーテンダーの福田。注文がうまく通らないという内容だっだ。静まりかえる会場なのだった。
おもしろそうなテーマで面白くなりそうなのになにがいけないのか…。でも、コントはいいのだコントは!あはは。 


「究極の選択」 (漫才) 
カレー味のウンコ、ウンコ味のカレー…と、ウンコウンコ言う漫才かと思ったら、女性タレントの名前を言う漫才だった(なんのこっちゃ…)。
「缶バッチに…」という部分が可笑しくて可笑しくて、お腹が痛くなった。
なんともベタな設定で、色々な人がネタにしていそうな中で、私がLLRのものを一番面白いと思うということは、私はLLRの視点が好きだということかな。 


伊藤官九郎脚本コント「棘TOGE」 
幕間映像でこのコントにでる為の「福田ファミリーオーディション」なるものを流していて、そこで合格したというまとまりのないメンバーたちが伊藤脚本のコントをしていた。
おばあさん:パルパティーン増田
おじいさん:(?)
うに太郎:トンファー小浜
猿:(?)
犬:(?)
相川:相川 
スーパースター:伊藤
鬼1:レアレア大浜
鬼2:DH億
アラレ高野 
川で大きな栗を拾って、おばあさんとおじいさんがそれを割ってみると中から子供が…。しかし、それは栗ではなくてうにだった…、という内容のコントで鬼退治の場面でアラレというコンビの高野という青年が出てきて、そこにいる全員を倒すのだった。
それはコントとは関係なく、彼がフラた元彼女がLLRの大ファンなので、どうにかして連絡を取りたいということで、絶対にLLRの単独ライブに来ているだろうという下心からオーディションを受け、見事出演権を獲得。全員で「高野君の彼女さん、連絡してあげてください」というメッセージでコントが終わるのだった。
アラレ高野のためのコント。2日目もやるのだろうか…?あはは。 

「記憶術」 (漫才) 
このネタが一番好きだった。ここまでの漫才もみんな面白かったのに、これに感動しすぎて忘れてしまうほどに…。*1
記憶術として、ものごとをストーリーにして覚えていくという福田に、伊藤がランダムに言葉を羅列して試すのだった。
こういうネタは、本当は事前に決まっているのに「ランダム」という設定で進むので、上手くしないと冷めてしまうのだけれど、それを逆手に取った方向へ進んでいくのだった。予想がつかない展開というわけではないけれど、伊藤の立ち位置が自然で意地悪いから「えー、こうなるのー」という驚きができる気がする。こんなネタ、さらっとやっちゃってすごい! 


「中国語を覚える」 (漫才) 
唯一ふんわりしてしまった漫才だった。福田がしゃべる中国語は本物なのかな?そのチョイスが面白かった。それらをお覚えるのが大変で完成されていないのだろうか。
練習が必要そうなネタだった。何故だか外国人をテーマにすると差別的な内容になりがちだけれど、そういう不愉快さがなくてよかったと思う。 


青春群像劇最終章 (コント) 
伊藤が雷に打たれて、8期生が死ぬほど売れているパラレルワールドへ迷い込んでしまう…。というストーリーだった。売れていない芸人としてジューシーズが出ており*2、すごいなぁ、と思ったり。
こういう場面のジューシーズはとても良いと思うのだった。決してでしゃばらず、しかし細かいところでしっかり面白くて存在感がある、と思う。8期が主役のこの劇で何故だかジューシーズをほめまくりたくなるのだった。もちろん8期の皆さま(キヨちゃんぽん、こりゃめでてーな広大、セブンbyセブン玉城)も面白かった。 

<ブリッジ映像>

  • Tokyo絵馬collection
    明治神宮へ行っておもしろい絵馬を探すというバチあたりなことをしていた。「東京カワイイ★TV」風のつくり。いきなり字幕に装飾が入っているなど、これまでの単独とのクオリティの違いにビビる。多分簡単なことなのだろうけれど、それでも今まではやってもらえなかったのだから…。 
  • スリ選手権*3
    無限大ホールの楽屋で芸人から財布を盗み、入っているお金の合計金額を競っていた。盗みをしている場面が画面上で同時に流れるなど、やはり映像に凝っている…。 
  • 集英社に電話
    べしゃり暮らしの登場人物の1人が自分をモチーフにしているのでしゃないかと集英社に福田が電話していた。名前を関町と言っていたけれど、普通に正攻法でいけば話が通りそうなのになぁ、と思った。そこができないところが福田のチキンなところだという気がする。
  • 福田ファミリーオーディション
    伊藤作(伊藤官九郎)というコントの前フリ映像。これはASAYAN風映像だった。 
  • 芸人お宅訪問
    ロシアンモンキー中須の家を訪れて、伊藤が赤ん坊を誘拐していた。伊藤の狂気を演出。あはは。 


今回の5本の漫才はもちろんすべて新ネタで、しかも、これまでのフォーマットをなぞったものが1つもなかったと思う。
なおかつ5本すべて違うアプローチをしていて、そういう向上心というか貪欲さに感動するのだった。
それでいて、これらはLLRにしかできないネタだと思うのだった。こんなによいネタをいつの間に作っているのだろうか…。
それにしても…コントになると漫才では絶妙だった間が恐ろしい沈黙と化すのは何故なのか…。2日目楽しみでならない。

*1:後で友人の力を借りて思いだしたけれど…

*2:パラレルな世界であるため、現実世界では売れている芸人代表ということ

*3:多分…