第二回 鬼ヶ島単独ライブ『地獄への通学路』 2011.12.17,18

鬼ヶ島単独ライブへいってきた。私は1公演目と3公演目の2回観ることができた。
とてもしっかりできていて、しっかり狂っていて、しっかり鬼ヶ島だった。

以下ネタの感想(おそろしいほどに内容に触れております)


例によってタイトルは適当 <映像>オープニング
外国人研究者3人が鬼ヶ島単独ライブ『地獄への通学路』を探して、危険な校内を探索する、という映像だった。マテンロウアントニーが出ていて、英語が話せないのに、無理矢理英語の台詞を言わされているのが可笑しかった。吉本の本社で撮影しているし…あははは!


「デビルスチューデンツ」
校則違反者を待つ「門(野田)」と「カラス(おおかわら)」のところへ、バスケ部員の和田が…というコントだった。
最初は、「門になりすました野田」「カラスになりすましたおおかわら」だと思ってみていたが、2回目で、最終的にあの扮装をやめないということは、元々「門」と「カラス」ということかな、と思った。 <映像>「地獄ドラマチック」
繁殖能力の高い野田が親の都合で転校してきてしまったため、弱い和田が絶滅寸前、という報道番組風映像だった。
野田の増殖を抑えるためにライバルのおおかわらが投入され…というところで、おおかわらが教室内をウロウロしている映像が可笑しかった。


「立たされてる」
野田が廊下に9年立たされているというコントだった。立たされている野田が、社会人になった和田に中学時代の同級生が自分のことを好きかも…という話をするなど、時間も中学生感覚のままでいるなどという演出が凝っているなぁと思った。 <映像>「地獄ラジオ」
鬼(粘土細工)3人が喧嘩をしながら、ラジオをすすめていた。この掛け合いがとても面白くてゲラゲラ笑った。粘土細工もよく出来ていて面白さを倍増させていた。


「運動会」
コントで唯一タイトルが付いていた。運動会の各種目から10年後までを細かく区切って現し、超能力者野田(男)とおおかわら(女)の悲劇を描いていた。キーパーソン和田によって、とってもキレイに締めていて感動的だった。これすごいなー!すごいなー!
そんな風であったのに、突然、席に不穏に置いてあった玉を使った客席参加型玉入れが始まって、ファンサービスも忘れない鬼ヶ島だった。 <映像>「地獄ショッピング」
「地獄ドラマチック」の研究者(外国人)がまた登場して、物販の宣伝をしていた。野田の缶バッチが欲しかったのに売り切れで残念…


「呪いのビデオ」
「こういう感じあるよね!」というポイントが、まさかのところにくるのだった。「呪いのビデオ」というテーマで、まさか呪われて1日目の人が3日目の人に憧れる、というところで展開してくるなんて!!これは「呪いのビデオ」を先に考えたのか、「あの感じ」を先に考えたのか…。どちらにしてもどういう思考でこの二つを結び付けたのかとっても気になる!いや決して私には計り知れないので気にならない! <映像>「呪いのビデオ」「呪いを解くビデオ」
呪いのビデオは野田のダンス。呪いを解くビデオは和田のダンス。この動画を携帯に入れて持ち歩きたい。


「転校生」
鬼ヶ島お得意の転校生だった。おおかわら女子役ネタにはずれなし!鬼ヶ島中学にはたくさんの変わった転校生がくるなぁ!野田がさおりちゃんを叱るところが大好き。野田の感情の移り変わる表現が本当に素晴らしいと思った。 <映像>「門とカラスとバスケ」
1公演目と3公演目で少し変わっていた。3公演目では短くなっていた。門とカラスと和田にくわえて、ベンチとマリオネットが登場。マリオネットは例のネタのヤツ。マリオネットの野田は普通の少年だったはずなので、これを見るとやっぱり、門とカラスも元々は普通の格好だったのかな…?とも思う。
カットされてしまったベンチのシーンでベンチは何と言っていたかな…?そんなことどうでもいいのかな…


「変身」
勇気のない少年野田はスーパーマンのような格好をする。というネタで、まるでキックアスの設定じゃないの!と思った。和田の女子っぷりが素晴らしかった。 <映像>「ねえ、おおかわら」
野田から見たおおかわら、おおかわらから見た野田、忘れられた和田、という映像だった。トリオ愛を感じさせたところでエンディングロールが…なんだったんだ…。




コントや映像は一つ一つまったく別のモノ*1で、舞台がすべて学校というだけの共通点で、完全に1つの世界感なのだった。
私は鬼ヶ島のめちゃくちゃなようでいて筋の通っているところが好きなのだけれど、この単独ライブでもそれが光っていた。最近の鬼ヶ島のネタは結構狂気の部分に傾きすぎたものが多かったと思うのだけれど、今回はバランスがよかった。
こうやってまとめて鬼ヶ島のネタを見てみると、おおかわらと和田は比較的同じキャラクターを演じているが、野田はいろいろだな、と思う。野田は野田なのにいろんな野田がいる。現実的にそう多くはいなそうなキャラクターなのにキャッチー、というのはすごく面白いと思うのだった。
また、私はコントを見るときに辻褄とか気持ち動きのリアルさとかを無駄に気にするので、それに矛盾を感じた場合、コントも面白く感じないことがある。鬼ヶ島はたとえ矛盾があったとしても、それが私が考えている場所よりもはるか高みで起こっているので、気にならないのだ、ということが分かった。
今回、まとまりのある世界感がとても良かったと思うのだが、それは、結構細かいところまで考えないとできそうにないと思うのだった。セットや映像の凝りようからいってもスタッフも分かっていなければならないと思うのだが、それは鬼ヶ島が全員に上手く伝えたのだろうか…?結構厳しくストイックにやったのかなぁ、と想像した。そして、この世界感は、こういう風にしようと思ってできているのか、元々の気質から何をやってもこうなるのか、どちらなのかなぁ?
こんなにすごい単独ライブが出来るなんて益々鬼ヶ島が好きになった。とても面白くて大大満足の単独ライブだった。

*1:部分的には繋がっていたが