ライス単独ライブ「カヴィ」 2012.1.29

ライスの単独ライブへいってきた。
前回の「コモク」が素晴らしかったので、今回の期待値もべらぼうに高く設定していた。そして、その期待は裏切られることはなく、今回の方がよいくらいだ!と思うほどだった。コモクより良い、と思った点は、披露されたコントの数が多かったことと、それが全部面白かったこと、一つ一つのコントが他の場で見ても面白いだろうと思える内容だったこと。
2公演の内、最初の1回しか観ていないうえに、トークライブにも行っていないが、とりあえず感想。


OPコント「マラソンプロポーズ」
ラソンへ出かけたまま帰ってこない男(田所)、置いていかれた女(関町)
いきなり関町の女装で笑っちゃう。田所のランニング姿も可笑しい。見た目かよ…


OP映像
ゴリラとそれに育てられた男の漫画。アルファベットでなにか書かれていて、「KIZUITAHITOHA…」などと読み取れたので、必死で読むも、解読できず…。


「動きの店」
胸ポケットに入っているカードに記載されている動きしかできない世界で、そのカードの店に買い物に来た関町と店主の田所。
関町の動きが素晴らしくて、そのために出来たかのようなネタだけれど「嫁がコレで…」などの小ネタもあり、とても面白かった。全部のなかで一番好きかもしれない…


幕間映像「脚注」
コントとコントの間には、すべて「脚注」という文章が映し出され、前のコントの中で使用されたもの1つに関しての説明がされていた。その文章を読むのもまた楽しく…。どこかで撮ってきた面白映像じゃない分、時間が短いのでネタがたくさん見られるのもよい。


「トモコの印象」
トモコ(関町)ってこういう人でしょ?と決め付けている女友達(田所)*1の再現するトモコが酷い。
なんで、そう思うんだよ!というのは一切解明されないのだが、そりゃあもう田所の再現するトモコの口が悪くてゲラゲラ笑った。罵り合いがこんなに面白いなんて!あはは!


「大魔王の手紙」
RPGの説明風に勇者が大魔王を倒したことを説明し、その死んだ大魔王からの手紙を読む勇者(田所)。
実は少女というところが可笑しかった。少女のくせに大根(?)作ってお金貯めたんだな…とか、こんな手紙書くんだな…とか


「壺を割った」
壷を割ってしまったこと隠蔽しようとする弟子(田所)と、それを目撃した奥さん(関町)の攻防
唯一最後に「えーw」と言いたくなったネタ。それは決して悪い意味でなく…。オッサンである意味の無さ。子供である不条理さ。


「飛び降り自殺」
飛び降り自殺をさせようとする地縛霊。通常の飛び降り自殺を止める人と飛び降りようとする人の逆パターン。
飛び降りそうなほうも、設定におかしさを感じていないというのが面白いな、と思った。


「死ぬ前にお願い」
瀕死の関町が死ぬ前に田所にお願いしたいこと、いろいろ。


「カヴィ、ある家族の人生」
サイレントである家族の一生を再現。CM。
何の笑いもない感動的な物語をサイレントで演じるのだが、当然、最後にどんでん返しが待っているわけで…。
しっかり見なきゃ!と思いながら見た。暗転が多くて、つまらないわけではないのに“暗くなると眠くなる”体質の所為でウトウトしそうになる。しかし最後のオチではしっかり爆笑した。そんなにたいしたオチではないのに、盛大な拍手を贈りたくなるのは、そこまでの演技が素晴らしいのと眠くなったことが功を奏したのかと…


「動物好き」
動物が好きすぎてすべての会話が動物ダジャレに…
必ず1つはこういう言葉遊びが入るのかな?コモクのときはそのコントはイマヒトツだった気がするけれど、これはとても面白かった。最後の関町の台詞の元の言葉を解明したい。


「ロケット発射?」
排便を世紀の大事業風に…
とてもくだらなくて面白かった。ノンスモのコントのよう。最後はどうして助かったのかな?拭かなかったのかな?そして、もう1つのこのコントのオチ部分で、「あああ…取ってつけたような…。そういう伏線の回収ならしなくていいのに…」と思ったのだが…それは次のネタで巻き返され…


「トモコの印象(2)」
さっきと同じコントをはじめてしまったピンチをここまでに使った衣装と小道具と音でなんとか違うコントにしよう。
ここで使われる前に使ったモノというのが、コントとコントの間に挟まれる「脚注」という文章で説明されたものがすべて使われるという仕掛けがされているのだった。これが鮮やかで…。無理矢理に物語をつなげるのではなくて、途中に入る「脚注」が繋がるというのが、ネタの邪魔をしなくてよいと思うのだった。上手いことやろうとするのは上手くないと見ているこちらも「恥ずかしい」と感じてしまうのだが、ライスは本当に上手いことやるので、ストレスがない。




とっても勝手にだが、コモクの時は全体を考えてからネタを作ったが、今回は一つ一つのネタができてから単独ライブの形式にしたのではないかな?と推理した。面白いネタがスイスイできあがった後に、1つのライブとしてのまとまりをパズルのように完成させてしまった風景を想像するのだった。こんなことを考えるなんて…なんて気持ちの悪いお笑いファンでしょう……
とにかく、本人達的には相当狙ってやっているのだろうし、そういう意思はうけとれるけれど、とても上手くいっているので、それを素直に楽しめるのだった。そういう意味でのイヤミがないと思った。幼稚な見た目で完成度の高いことやってくれちゃうものだから、頭は混乱するが!

私はライスを追いかけまわしているわけではないけれど、この単独ライブこそが、ライスが一番面白い瞬間だと思うし、これだけやってりゃ他がダメでもいいさ!*2と思えるくらい素晴らしいと思う。
こういう場でこそもっとも輝くのだから、エコー劇場は見やすいし、趣があってよい劇場だと思うけれど、もっと広い会場で行なうべきだし、それが無理なら、何度も公演するとかしなければいけないと思う。色々な人が見られるようにしなければ!ライスのよさを!!…と、ここまで書いて前回のコモクの感想でもほぼ同じことを書いていることに気づいた…毎回考えることらしい…

*1:名前を忘れた

*2:とはいえライスは他の部分も面白いと思うけど…