LLR単独ライブ 「築地魚河岸三代目」16:00,19:00 2012.7.21

LLRの単独ライブへいってきた。
前回の5回公演が、少々不発な回のように感じていたので、今回はどうかな……とドキドキしながら観に行ったのだった。
結果…そこには、私が大好きなLLRの漫才がつまっていて、もうもうLLR大好き!!と叫ばざるをえない……。

以下おそろしいほどにネタの内容にふれ…

築地魚河岸三代目」16時の回

  • OP映像

LLRの2人がクルクルまわる

  • 雑魚キャラ(漫才)

大人になると、ヒーローよりも雑魚キャラの方が気になる、というネタ。ショッカーがアジトに戻ってきたときに親分に酷く怒られているのではないかと、想像していた。それが、やけに良い親分だったり、ショッカーに言い負かされたり…。
普段、私は所謂悪役というのが出てくるドラマや映画を見たときに「こんなに部下を殺したり脅したりするリーダーについてゆくわけがないじゃん!なんでこんなに仲間がいるんだろう…」というのをよく考えていて、だからすごく「そうそう!!実は裏では優しくて…こんな物語があるのかもしれないって思うよね!!」と共感したのだった。だから、伊藤の「そんなんじゃないよ、悪の親玉なんだから、もっと冷酷な…」というツッコミのほうが、一般的なものの考え方としてしているのだろうけれど、一般的じゃないような…。そういうねじれ構造も心地よく感じるのだった。
なんて…多分このネタの主旨はそこじゃないのだろうけど…わはは!

  • (映像)マジックザギャザリング

マジックザギャザリングが好きすぎる福田が自分のカードを作って、それを誰かの手札に混入し、気づかれたらアウト、気づかれなかったらセーフ、という遊びをしていた。ターゲットはクレオパトラ桑原で、気づいたときの反応が可笑しかった。


  • ちょっと聞いてヨ!おもいっきり生電話(コント)

メデューサ(伊藤)がおもいっきり生電話に人生相談をもちかけるのだった。相手が石になっちゃうとか、こなきじじいなら良いと思ったけど、砂かけババアという彼女がいる、とか…。
かなりの間延びしていて、最後にケンタウルスから電話がかかってきたときには、「げ!まだやるの?!」と思ってしまった。そのまま終わったからよかった…

  • (映像)マジックザギャザリング 

ターゲットはニブンノゴ!の森本、大川

  • 爆弾処理(漫才)

福田が、緊迫するシーンこそカッコイイから爆弾処理の場面をやってもいい?ということで、「赤い線と青い線、どっちを切ればいいんだ」というコントに入るのだった。しかしコントに参加してこない伊藤。さらにツッコミをも放棄して…。それに対して福田がやきもきする、というネタだった。
最初、爆弾処理のコントを始めたときには「マジかよ!!今更そんなネタ?!」と思うのだった。しかし…そこはLLR。そんなわけはなく…。これはLLRのお得意のスタイルで(オーソドックスなテーマで思いも寄らない展開になる)、私はそれによる爽快感が大好きなのだけれど、そのためには、分かっているはずなのに毎回「マジかよ!」と思わなければならない。これって結構難しいことだと思うのだけれど、ちゃんとしっかり「マジかよ!」と思わせてくれるのだった。ニクイー!
それにしても、この漫才での伊藤のポンコツ役はハマっていた。本当にそういう人に見えるし、以前伊藤が、お笑いをやる前は「ツッコミの意味がわからなかった」と話していはずで、お笑いのルールとかそういうことを覚える前の伊藤はきっとあのようだったに違いないと思うのだった。普通に考えたら、あれこそがきっと正しい人のあり方で、伊藤が普通であることはLLRの重要な要素なのだと思う。
普通になにも考えずに家でテレビをみるのと同じ感覚で見られること、「ちょっと違ったことをやっていますよ!」というギラギラした部分を見せないこと、それらを具現化したネタがこれだったような気がする。あとは、“普通な伊藤に振り回される自分”というのを福田が考えているかと思うと恐ろしいな、と思う。

  • (映像)ちょび丸

ちょび丸を愛しすぎた伊藤が、ちょび丸になって無限大ホールへ行く映像。色々な芸人の前にちょび丸として行くのだが、ソラシド水口の反応がとても面白くて、さすがだと思った。あの映像がまた見たい!

  • いとうんち(コント)

福田が伊藤家を訪ねると、次々と兄妹たちが出てくる、というネタだった。ずっと伊藤を待っていたのに、途中で飼い犬のワサビが瀕死になったら、その面倒をみられる兄弟の○○*1を待ちわびるようになるのが、ちょっとしたスパイスになって面白かった。

  • (映像)先輩の家族と遊ぼう

福田が人間性を取り戻すために先輩の家族と遊ぼう、という企画。ガリットチュウ福島の家族と遊ぼうとするが、伊藤が乱入してくるのだった。

  • パーソナルデータ(漫才)

もう長年一緒にいるからお互いのパーソナルデータは把握している、ということで、福田が伊藤のパーソナルデータを言うのだが、全然覚えておらず、段々クイズのようになるのだった。
きっとこのネタは、もっと後半は上手く流れていって、以前の「記憶術」のようなネタになるはずだったのではないかな?と思った。成功はしていなかったような気がするけれど、最終的にとても綺麗に終わっていて、さらに福田の顔芸も可笑しくて、とても面白かった。

  • (映像)先輩の家族と遊ぼう
  • 研究室(コント)

「感動研究所」ということで、とある感動するシチュエーションの台詞を少しずつ変えていった場合、どの程度の変更まで感動できるかを検証するというもの。LLRは変える提案をするだけで、演じるのはかたつむり林とガリバートンネル佐助。
それはもう…林が芸達者で芸達者で!素晴らしかった。LLRにはあれはできないよねー!と思うのだった。とても面白かった。

  • (映像)先輩の家族と遊ぼう2

伊藤が福島の子供を自分がつけた名前で呼んだり…最終的には…世にも奇妙な物語の音楽が流れる、という例やつ。

  • 問題(漫才)

まず、伊藤が福田に海亀のスープの問題を出すのだった。その後福田が自分も問題を出すと……。
その後の福田の出題が実にくだらなくて可笑しかった。心理テストでいくのかと思ったら、全然違う方向へ流れるし…。変なクイズを出す、というのは漫才でよくあるものだと思うけれど、その「変」な具合が多岐に渡っていて面白かった。伊藤がイライラするほどに福田のバカにした物言いが面白く、2人の掛け合いが絶妙だった。

  • エンディング…(青春群像劇)

エンディングかと思いきや、8期の面々が客席側の扉から入ってきて、いつもの福田花月が始まっていた。本編が終了して、時間がちょうど2時間くらいだったので、本当に無いのかと思ったら…。
しかし、いつもより、ストーリー性がない分、楽しく見られた気がする。THE MANZAIの1回戦でジョイマンを見て、とても面白いと思った直後だったので、ジョイマンが見られてよかった。

なぜ突然マツケンサンバなの?と思ったでしょ?とエンディングでLLRが話していた。昨晩福田が「マツケンサンバを踊りたい」と突然思いつき、みんないまひとつ乗り気でないなか、若月徹だけが、「やりましょう!」とノリノリだったとのこと。2回目の公演で踊るかどうか、議論されている、と話していた。

  • ED

築地魚河岸三代目」19時の回

  • OP映像

1回目と同じ

  • 雑魚キャラ(漫才)

1回目は、最初に雑魚キャラたちは戦いの場まで送迎があるのかないのか、などという話題があったのだが、2回目ではなくなっていた。あれは1回目のアドリブだったのかな?ネタの出来としては、2回目のほうが締まっていてよかったような気がする。

  • (映像)マジックザギャザリング
  • ちょっと聞いてヨ!おもいっきり生電話(コント)

メデューサ役が福田に、電話相談相手が伊藤に役を交換していた。そうなるだけで、断然面白くなっていた。なんだかんだで、福田はボケで伊藤はツッコミなんだなーと思った。元々はこっちが先かな?

  • (映像)マジックザギャザリング 
  • 爆弾処理(漫才)

こういうネタは2回目はどんな印象になるのかな?と思っていたのだが、まったく同じ印象を持てるというのは、やっぱりLLRは漫才が上手いのではないかと、思ったり…。

  • (映像)ちょび丸
  • いとうんち(コント)

1回目より若干短くなり、テンポがよくなっていた。ワザビがマイムではなくて、ぬいぐるみになっていて、1回目が終わった後に、「ありゃ、マイムじゃダメだ!急いでぬいぐるみを用意だ!」となったんだろうなーと予想して可笑しかった。

  • (映像)メンタリスト恵悟

福田がバレバレの仕掛けでメンタリストを名乗って、若手芸人達にマジックを披露し、その仕掛けを指摘したらダメ、指摘しないで騙されたフリをしたらクリアー、という映像。
ジャャンポケ太田、パンサー向井、ライス田所、ロシアンモンキー中須、などがみんな指摘する中、ボーイフレンド宮川とボン溝黒だけが、指摘せずに騙されたフリをしていた。特に宮川は、本当に気づいていないのではないかと思うほど、綺麗に演じていた。ちょっと怖い。

  • ジャマイカの陸上選手と甲子園球児(漫才)

事前に客席にチラシが配られていて、そこに「伊藤にドッキリをしかけています」と書いてあるのだった。3本目の漫才で練習したネタとは全然違うネタを福田が勝手に始める、というもの。
そこで、福田がブッこんだネタがこの「ジャマイカの陸上選手と甲子園球児」。ジャマイカの陸上選手と甲子園球児には共通点がある、と福田が主張するのだった。まったく共通点とは言えないものを羅列していくだけなのだが、それが結構面白く…。福田はこういうのを考えるのが好きなんだろうな、と思った。
肝心の騙された伊藤は、序盤驚いて変な表情は見せていたものの、しっかりボケを聞いて適格な相槌をうっており、さすがの落ち着きだった。客席も知っていることはすぐに見抜いていたようで、最初から苦い表情で客席を眺めていた。「よりによって一番練習したネタを!!」と怒っていて、「なるほど、パーソナルデータのようなネタを一番練習するんだな、ふむふむ」と思ったりした。ただ単に伊藤の台詞が長いだけか…

  • 研究室(コント)

2回目は、登場人物の名前を「サブ」「ホモヤロー」に変更したり、「バカヤロー」を「オタンコナス」にしたり、「アメリカ」を「サモア」にしたり…。最終的にLLRも演じてみろ、と林にフられ、福田は「トンガリ」で、伊藤は「ローラ」で再現させられていた。こうやって、LLRにフったり、キャラクターを2人ができそうなものにしたり、ここでも林の器用さが光っていた。

  • メンタリスト恵悟2
  • パーソナルデータ(漫才)

自己紹介的にもなるし、他の場所でも今後ガンガン見られそうだなーと思った。しかし練習が必要ならあんまりやらないかな?福田が間違うべきところを正しいことを言ってしまったりしていたし…あはは!



とにかく漫才の出来が素晴らしかった。単独ライブでしか、あのクオリティのネタには出会えないのだけれど、それはどこからくるものなのだろうか。
LLRは色々なところでかなりの量の新ネタをおろしているが、単独ライブのネタはダントツなのだった。単独ライブではこういう新ネタ、東京ファクトリーではこういうの、その他新ネタライブではこういうの…というようになんとなく決まっている気がするので、使い分けているのかな?……そこまで考えてないか…。
やっぱり単独ライブには準備時間が他より長いから、大分練ったネタができるんだろうなー。もうホクホクしちゃう!

やっぱり今回もコントは不出来だった。あんなに漫才は良いのに…!自分達だってその出来の違いは分かっているのだろうに…絶対的な自信がないから、コントをするのか、それともストイックに漫才だけを見せるのが恥ずかしいのか、それともただただあのつまらないコントが楽しいのか…。一番後者なのかな…あはは…
しかし、そういうところが、LLRのガツガツしていなくて、のんびりしていて好きな部分でもある。たとえば、研究室のコントなんて、自分たちには何の得もないと思うのだった。美味しいところはみんな林と佐助が持っていくようなコントを自分たちの単独ライブでするなんてね!
他を出し抜いていこうというズルさを感じないのはLLRの美点な気がする。

なんにしても漫才よければすべて良し!大満足の単独ライブだった。

*1:名前を忘れた