POISON吉田が5人と漫才 2013.2.15

POISON吉田が5人と漫才をみてきた。
吉田がネタを書いて、5人と漫才をする、というライブ。今回もすこぶる面白かった。

ビーチボーイズだ、橘反町だ、竹野内橘だ、橘タカシユタカだ、サーフィン亭タカシユタカだ!……
サーフィンを教えてやる、ということで海にくるも、どうしても釣りをしてしまう吉田。漁師を継いで欲しかっただの、シーラカンスを釣っただの…
橘が緊張して顔が引きつっていた。顔はそんな感じでも、しっかりいつものように楽しそうに漫才をしていて、プロだな〜と思った。
若手漫才師っぽいネタの流れで、ポイズンの漫才には絶対にないボケがあり、おおおお!と思った。橘がサーフボードを持ち上げるマイムをしたら、吉田が「それシーラカンスだよ」というような。
とはいえ、最初の部分(サーフィン亭タカシユタカとか)はすごく吉田っぽいと思った。吉田っぽいというかポイズンっぽい。阿部が言いそう!
ネタ中、何度もエリートヤンキーの漫才を思い出したけれど、それは橘が楽しんだり怒ったり振り回されるところが近いからだろうか?そういうのがとっても上手いということなんだろうな!と思った。
ネタ後…
吉田はこれで勢いがついた。毎回、他のメンバーは作家さんなどの案から取り入れるが、トップバッターだけは、ツッコミが上手い若手を吉田自ら選んでいると。橘はその役割をしっかり果たしてくれた、と話していた。


  • LLR福田「東京の名所」(吉田ツッコミ)

吉田コメント映像
福田について「芸人さんに言うことじゃないけど、すっごいおしゃべり」
心配なこと「2人とも声が高いから、不快感をあたえないかどうか」

吉田のコメントをうけて、福田が「気をつけてください!周波数が高すぎて、コウモリが死んで落ちてくるかもしれないから!」と言っていた。
2人とも東京出身だから、シティボーイズ。吉田さんは、シティーボーイズのセンターきたろう「きっちゃん」。
東京出身ならではの、スカイツリーとか浅草ではない東京の名所を紹介。
「豊島園」1日券を買っても30分で全部まわれてしまうから、30分で紙くずになる。
「歌舞伎町」ホスト同士、キャバ嬢同士の喧嘩を見ようとか。歌舞伎町のキャバ嬢はデブばっかりだから、まるで相撲。30分くらいがっぷり四つに組んでた。新大久保の方まで寄り切ってた。原付バイクサイズのネズミがいる。そのネズミがキャバ嬢の喧嘩のチュウ裁(仲裁)をするし、ドンキで働いているし、終電を逃したら背中に乗せて送ってくれる。ただし中野まで。中野にチュウ車場(駐車場)がある。
ネズミ男じゃねーか!きたろうだけに…!

内容が実にポイズンっぽくて!!ポイズンぽいのだけれど、完全に福田のために作っているというのが、すごく面白いと思うのだった。
後半、でっかいネズミがしつこく続くなど、そういうネタの流れとかエピソードの発想は吉田っぽくて、一つ一つのボケは福田っぽいと思うのだった。たとえば「チュウ」というダジャレを連発するのは、いかにも福田がしそうで、でも途中のドンキの部分で「チュウ」とスカして、さらに最後の部分でもスカすっていうのは多分福田が作る漫才ならなさそう……?LLRだったら、多分その「チュウ」だけで1本のネタにしちゃうよなー、みたいな。福田が言いそうだけれど、吉田の発想だというのが見える気がした。
LLRの漫才というより、福田の言いそうなことという漫才にしてくれたのがよかった。LLRの漫才風ですっごく面白かったら、LLRのファンとしては、ちょっと複雑な気分になりそうだから…わはは!*1
ネタ後…
福田は「吉田さんが100%完璧なのを書いてきてくれたから、僕は全力でやるだけです」「電車でもずっと練習してきました!」
(MCアホマイルド坂本に「フライデー読んでたじゃん」と言われ)「あれは後輩が必死でやってる姿を見せたら吉田さんにプレッシャーになると思って、見えないようにフライデーの中に台本貼って…」
吉田「全部ウソじゃん!」
「落ち着いてペース落としてって何回も言われたけど、無理でした。吉田さんおっせーから」「伊藤なら2秒(二言)で終わるツッコミが吉田さんだと四言くらいで長い。自分の時間が減る」
吉田「俺が出たがりだって言いたいわけ?!」
このライブ、伊藤も見ていたら面白かったのになーと思った。
吉田が「大分膨らましてくれて…」と言っていたが、どのあたりが膨らましたところなのか気になるのだった。
とにかく、見る前は福田はそこそこ器用だし、吉田とは気心もしれているから、だからこそ、うぁw)?チすらとそれなりに面白い漫才なんだろうなーと思っていたのだけれど、とびきり面白い漫才が見られてとても嬉しかった。


吉田コメント映像
松田について「なんでもできる。ミスターパーフェクト」
今回のネタ「実験的なことをした。ボケツッコミの区別なし。新感覚ハイセンス漫才」

自分たちは純粋なツッコミでもボケでもないということで、ボケとツッコミのハーフ「ボッコミ」だと。ライバルはローラとトリンドル、もしくはおすぎとビーコ。
ボッコミ→ブッコミだ、ということで、ボケとブッコミでやってみようということに。それはボケに対して脈絡のない単語をブッコむ(重ねていく)というもの。
野球をホームラン何本くらい打つの*2→吉田(ボケ)「一億本!」→松田(ブッコミ)「原発反対です!」
そこで吉田が「えー?」となるが、松田は「お前もやってみればいい、続けていけば面白くなるから」と。
オスプレイの免許持ってます!」とか「チグリスユーフラテス!」とか…続くのだった。脈絡がないから多くを思い出せない…

吉田がそれに戸惑いを見せることでなんとか、世間との間を埋めてる感じだった。でも途中から、繰り出される単語の面白さに魅了されて、ずーっとボケとブッコミの漫才を聞いていたくなった。それだけでもいいじゃん!お客さんを信じて!と心の中で言ってみたり。
もう一回コンビを組んでもらって、最初から最後まで純粋なあのネタを見たいなー!
ネタ後…
吉田が「どんなネタでも絶対に嫌だとは言わないと思っていたけど、ネタを渡されたときに『いいよ〜』とは言いつつ、ちょっと嫌な顔をするかな?」と思ったのに、全く全然平気な顔で『はいは〜い!』と受け取ったから驚いた」と話していた。
松田は「本当に全く問題はない」と。
ただ、ネタは前後の脈絡がなさすぎて全然覚えられなかったと話していた。実は結構間違えていて、先にネタをトバしたのは吉田だったと言っていた。しかし事前に分からなくなったら適当なことを言いましょう、と話し合っていたと。わはは!
吉田が「ミスターパーフェクト」「完璧」だとか誉めそやすものだから、松田が「オレ、あんまり顔見られなかった。大吾の顔好きだからさ。普段は横に金髪豚野郎しかいないから、わ!精悍な顔がある!と思ってさ」とヘンな方向に持っていて、話をそらしていたのが可笑しかった。


吉田が「柴田さんとは昔ある大会の決勝で一緒になったんですけど…そこでなんと柴田さん優勝したんですよ!」と。
K-1”っていう大会で!なんと4分で優勝したんです!」
“F-1”っていう大会です!なんと4分で優勝したんです!」
“B-1”っていう!笑い飯がオイしかったんですけど…」
“ゆるきゃらグランプリ”っていうので!千鳥っていう鳥のキャラもいたんですけど、柴田さん4ポーズで優勝したんです!
“S-1”っていう大会で…柴田「それ、吉本のやつ!柴田-1だったら優勝だけど!柴田なら結構上位にいってると思うし」

すっごく面白かったけれど、「すごい凝ってる!」「すごく息が合ってる!」「斬新!」「柴田さんのための漫才だ!」みたいな感想は全部違うし、書こうと思うと一番感想がない気がするのだった。
大喜利的なボケを重ねるだけのネタなのだけれど、M-12004を他の大会とすりかえるのが本当に上手くて、柴田のツッコミフレーズも全部面白いし(割り箸の数とか)ゲラゲラ笑った。柴田が存在感を感じるために作られているかのようで、吉田はあのようにがっつりツッコまれることを望んでこういうネタを作ったのだろうな、と思った。
ネタ後…
柴田は「ずっとネタをしていたい」と言うのだった。漫才をするのが久しぶりで楽しくて仕方がなかったと。
ネタに入るまでに柴田がなんやかんや言って時間が長かったことを坂本が「お通しが3分くらいあって」と言っていて可笑しかった。さらに柴田が「俺らの漫才はまったりしてるからぁ!」と言ったところ、坂本が「わりとドンジャカしている方だと思いますけど」と言っていたのも可笑しかった。「ドンジャカ」って素晴らしい表現!!と、しばらく笑いが止まらなかった。
柴田の言うアンタッチャブルの漫才の“まったり”とは、1つボケがあったらそれに対して1つツッコミがあって…というノンスタイルとかポイズンのような漫才ではない*3、という意味らしい。M-1で優勝したときも4分間で8個くらいしかボケがなかった、だから今回のネタは忙しかった、と言っていた。なるほどーとにかく、吉田で遊びたい、長くネタをやりたいと思っていた柴田は、本当は“ゆるきゃらグランプリ”で終わるはずだったのに「それで?」と続けて、吉田から“S-1”を引き出したとのこと。突然言われて“S-1”が出てくる吉田もすごいし、“柴田-1”とツッコむ柴田もすごいなーと思うのだった。
吉田は最後に「高校の文化祭で怖い先輩に『おい!漫才やるぞ!』って言われた気分」と言っていた。あはは!


  • 博多華丸「娘さんをください」(吉田ツッコミ)

吉田にとって華丸は、芸人としても大先輩だけれど人生の先輩でもある。自分もいつかは結婚したい、結婚相手のお父様に挨拶に行く練習をしたい、というネタだった。
父役を華丸がするのだが、川平慈英と九州のおじさんしかやってくれないのだった。九州のおじさんが当たりで、川平慈英の途中から九州のおじさんになる確変がおこったりする。(なんじゃそりゃ)

ものすごくありきたりなテーマで、こんなに面白いなんて……!!吉田がこういうありがちな設定で漫才を書くこともびっくりするのだった。華丸のような人ならば、こういう内容でも爆発的に面白くなるのだということを見せようとしたのかなー?と思った。こねくり回したことをするよりも、実力がしっかり見えるネタのほうが吉田としてもやりがいがあるのかな、とか。
ネタ後…
華丸が「こんなに斬新な設定で…」と。吉田が「いや、よくあるでしょ!」と言ったら、自分達はもうこういうネタはできないと言うのだった。既婚の博多華丸大吉が「娘さんをください」というネタをやったら、「自分たちのときはこうでした」と2人の経験を報告するだけになる、と。あはは!
吉田はネタを書くにあたって、先輩に失礼になってはいけないし、自分のネタ書きとしてのプライドもあるしで、モノマネ要素は少なめにしたと。しかし、華丸が自らふんだんにモノマネをしてくれた、と話していた。
華丸は「普段はあんまりやりすぎると大吉さんに怒られるから…」「腹八分目でいいって言われるけど、満腹になって帰ってもらわんとね!もう二度と食べとうない!って」と言っていた。


最後に全員集合して…
橘「一番最初に終わるから、他のネタを全部見られてよかった」
福田も自分以降全部見たと。
吉田「ネタ中、お前(福田)が見ているのを見てけど、華丸さんのコレ(忍者走り)で打ち上げに行こうとするところで一番笑ってた」、柴田「オレの時じゃないの〜?」、一同「ほしがりすぎ!」
福田いわく「松田さんとか柴田さんは漫才師の笑い、華丸さんは親戚のおじさんの笑い」、華丸「褒め言葉!」
吉田が60分漫才の告知をしたら、柴田が「え?もう60分やる?」と腕を回すのだった。橘「もう60分て、今日も60分やってないでしょ」
さらに橘が60分漫才の告知…「柴田?さらにあと60分やればいいの?」……柴田は漫才が楽しかったんだなーとつくづく思った。




それぞれ全部違ったタイプのネタで、吉田の貪欲さを感じた。全部違うのに全部面白いんだもん!
全体を見てみると、後輩2人にはそれぞれに寄せたネタ、先輩3人にはそれぞれの元の漫才の形は関係のなくネタを作ったのかな?と思った。またボケの内容をしっかり考えてあったのは橘、福田、柴田のネタで、松田と華丸のネタはフォーマットだけ、みたいな。……と全然違うと言いながらつい分けたくなる…
吉田は多分、自分がツッコミをするほうがやりやすいはずで、だから自分がボケをするネタはしっかりボケの内容を考えたのかなーと思った。福田のネタは、純粋にネタの内容だけみたら一番よくできている気がして、吉田が「やりやすいやりやすい」と言っていたのは、普段のポイズンに近いからかな、と思った。

全部面白くて最高のライブだった。

*1:橘のネタはエリヤンぽくて、福田は福田っぽいというのは私がLLRの方がよく見ているからかな?ネタを作ってる方とそうでない方という違いかな?

*2:本当にこういうフリだったかさだかではない……

*3:ノンスタとポイズンの漫才は全然違うけれど、1つのボケをちゃんと処理していくとか、そういう意味だと思う