W-A-芸〜落語と漫才のコラボレーション〜 2013.2.19

W-A-芸を観てきた。
過去2回は、漫才師としてLLRとタモンズが出ていたが、今回からタモンズに代わって囲碁将棋に。LLRと落語家の桂三四郎は変わらず。
今回は囲碁将棋の漫才を桂三四郎が落語に、古典落語「動物園」をLLRが漫才にしていた。


まずは囲碁将棋が漫才「夢」を披露。
根建は刑事になりたい、文田は4歳くらいの娘と…という言わずと知れたネタ。
以前はそのキモチワルさと最後のオチでゲラゲラ笑ったのだけれど、今回は根建の夢の部分(刑事と車のディーラー)のくだらなさで笑ってしまった。笑うポイントが移ってゆくのって何故なのだろう。


次に、桂三四郎囲碁将棋の漫才「夢」を落語に作り変えて披露。
まず、とある男が取調べを受けている。銭湯で4歳の女の子の体を触ったという容疑。男は「誤解だ、彼女のほうがから誘ってきた」と主張。そして、自分はロリコンではない、ということを証明するために、今度結婚する彼女との馴初めを語るのだった。
席替えで隣になり、グループ交際でディズニーランドへ…。歌舞伎風だったりミュージカル風だったりしながらに説明して刑事を信用させるも、オチは…そんな自分の夢は結婚して子供ができて、その娘が4歳になったら一緒に銭湯にいくこと。
馴初めのエピソードとオチは同じなのに、全く違うのだった。この漫才はエピソードというよりも凝った構成で見せるものだと思うので、それが違うと全然違うものになる!囲碁将棋のネタをごちゃごちゃにして、取調べという新たな部分を加えているのに、最終的に「結局それかーい!」という感覚だけ同じにしているのがニクイなー!上手いなー!と思った。


上記のネタについて話していた。
桂三四郎はネタを書くのにとても苦労したと話していた。ルミネで一緒になった博多華丸囲碁将棋の漫才を落語にしていると相談したところ、「人生で一番無駄な時間だ」と言われたとのこと。わはは!
落語の途中ミュージカル風になったときの歌は、ディズニーのなんとか*1という歌の替え歌、とのこと。私のようにそんなことに全然気づかない人もいるのに、ちゃんと細部までこだわっていることに感心するのだった。
文田が、落語はオチを言いながらお辞儀をして終わるのがカッコイイ、と言っていた。漫才もそうしようかなと。実際にやってみるも、オチ台詞を言う文田はよいとして、根建が「自分はおかしい」と言っていたのが面白かった。確かに…
根建は落語を最初から最後まで見るのは初めてだと。学生時代、課外授業で落語を聞きにいったが、隣の友達とUNOをしていたのだそう*2。たしかにそれは、もったいないことをしているけれど、自分たちの漫才を落語にしたのが、初めて聞く落語だなんて、すごく貴重なんじゃないかと思った。ある意味ラッキー…?!


次に桂三四郎古典落語「動物園」を披露。
内容はウィキペディア…→ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%95%E7%89%A9%E5%9C%92_%28%E8%90%BD%E8%AA%9E%29
これ、面白いなー!分かりやすいし!桂三四郎の虎の動きがとても上手くておお!となった。


つづいて…LLRが落語「動物園」を漫才にしていた。
芸人の他に副業をしようと。動かず、しゃべらず、日給1万の仕事。その仕事とは、森林伐採で木がなくなり、観光客が減ってしまったので、人間で代用しようという「木になる仕事」
木になる練習をしましょう、ということで…木の精になってみたり、首吊り自殺の現場になりそうになったり、犬やイノシシがマーキングされたり…最終的に怖い人間に脅されるも、遅番の人だった…でおしまい。
これが本当に面白かった。あまりにも気に入りすぎて、帰宅後狂ったようにネタを書き起こしてしまった*3。我ながら気持ちが悪い。
まず、木になるというのが可笑しくて「森林伐採で…」と言っているときからゲラゲラ笑ってしまった。
木の精のようなことをしたり、木といえば首吊り…という発想もいかにもLLRで、楽しいのだった。元の落語と流れとしては同じだけれどボケが全部違うというのは、桂三四郎囲碁将棋の漫才の細かいボケの部分は一緒で構成はまったく違うということをやったのと真逆で、面白かった。


ネタ後のトーク
福田が、最初はAKBのまゆゆに成り代わるというものにしようと思った、と話していた。しかし、人間が虎の皮を被って虎になるというのは、ありえないことだけれど想像できる、けれど、自分がまゆゆになるというのは想像しづらいだろうと考えたそう。人になるのは難しいとなると、植物か鉱物がよいだろうと思って「木」になることにしたとのこと。
ありえないことでも、想像は「できる」「できない」の境界があって、そこは漫才において重要なのだなんだろうな、と思った。ネタを考える際に、福田はそういうことにも気を使っているということが分かって、絶妙なバランス感覚に舌を巻くのだった。
また「ピストルのところを楽屋ですごい練習していたから上手くいっていた」と桂三四郎にバラされ、伊藤が「やってないやってない!僕らネタ合わせしないことになってるんだから!」と言っていたのが可笑しかった。福田はタイミングが難しいんだよ、と言っていたが、本当にLLRはネタ合わせがどんな風か分からない人達なので珍しい。
文田は伊藤が森に来て「(木)が生えてる!」というところが好きだと言っていた。そんなこと普通なら言うわけないと。福田は学者のような男が木を観察しているくせに立ちションをしていくところが気に入っていると話していた。みんなも「あー!くだらねー!」と笑うのだった。伊藤が「ネタ合わせの時なんて、『新種だな!学会で発表しよう』とまで言ってたのに、立ちションてねぇ」と笑っていて、ネタ合わせでも笑いながらやっていたんだろうな、と想像できて可笑しかった。


このライブは、それぞれのネタのおもしろさはもちろん、普段では見られないネタができる過程を想像できるのが楽しい。さらに、LLRのガードが緩くなっているので、どう考えたか、ということがポロリと聞けるのも、気持ちの悪いファンとしてはワクワクするのだった。
次回はLLRのネタを桂三四郎が落語に、囲碁将棋が落語を漫才にするということなので、またまた楽しみ!

*1:忘れた

*2:こんなの本当に失礼なんですけど…と前置きしていた

*3:ツイッターに書き起こしををツイートしたのでよろしければ…