まるまる一日LLR 2016.4.23

LLRの春のネタ祭り

今回のネタ祭りは5本の新ネタとリクエストネタ1本。わーい!
MCは竹内健人とスパイク松浦。まるまる一日LLRの開催場所が幕張に移ってからは、女性MCは怪獣のまゆみちゃんだったので、松浦は久しぶりだった。まゆみちゃんはLLRをストレートにバカにして面白いが、松浦は慇懃無礼で面白のだった。
一つネタを披露するたびに、竹内と松浦がLLRにネタについてインタビューする形でライブが進められた。福田がアーティストぶってネタについて話し、伊藤はサングラスをかけて座っているがしゃべらせてもらえない。ふざけているのだけれど、内容はとても興味深く面白かった。

  • ○○派か××派か

「犬派か猫派か」、「パン派かごはん派」というような質問をするよくある感じのネタの入りだった。「何派」か聞かれているのに「どっちでもない」と答えるのだけれども、伊藤の食いつくところがどんどん変化していって、主題が変わってゆくのだった。とっても面白かった!!
福田いわく、「感じ悪いな」というツッコミを言わせたかったと。聞かれている質問に答えないで別のことを言う人って感じ悪いな、と思ったことからできたネタ。そして「このペンおじさんにもらったのかな?」という謎の発言が……。いつもは紙に書かずにネタを作っているが、今回はちゃんと書いてみたのだそう。書いている最中にペンが勝手に書いているかのように、思いもよらない方向のネタがどんどん書けたことから、自分のペンではなく、別のおじさんにもらったペンのように感じたということらしい。「ネタが動きだしちゃった」
この頃はまだアーティスト福田の設定にのっかっていた竹内が「アーティストって結局伝わるね。最初なに言ってんのかな?と思っても、最終的には伝わる」と評していたのが可笑しかった。
でもまさに、書いている最中どんどん新しい発想がでてきたんだろうな、と思わせるネタだった。


夢日記をつけたら夢と現実の区別がつかなくなってしまった…というネタだった。福田が見たと言って語られる夢は、「ケーキの島でケーキを食べる」「パンダと遊ぶ」など、かわいこぶったものだった。
このネタは福田が「僕がキャメロン・ディアスになっちゃった夢見たらヘンだな」と思ったことから作ったそう。途中ネタ制作が止まってしまい、一旦他のネタに取り掛かり、寝て起きたらまた閃いて出来上がったと話していた。できなくなったら一旦やめて他のネタを作るということを説明するために、まず「オレ、受験勉強タイプだから」と前置きするところがアーティストぶっている。ちなみに福田が演技のお手本にしているのは瑛太とのこと。
それにしても、最初のネタに比べて苦しい感じがするなーと思ったら、途中で行き詰まったということなので、なるほど〜!と思った。伝わる。

  • して父になる

映画「そして父になる」を見て、感銘を受けたと福田が語り出すネタだった。とても気持ちが分かる、自分も全く同じ経験をしている。傘の取り違えである。
後半が意外な展開!みたいなことはないのだけれど、今回のライブで一番好きだった。LLRお得意の置き換えるネタだけれど、恋愛ではなく「父」というところが今までにないし、年齢を感じる。
このネタを福田は「すっごい気に入ってる」と言っていた。自分は映画やドラマのセリフを言いたくなっちゃう人間で、「それでも5年間は家族だったんだよ」というセリフが言いたいがために作ったネタだと。
福田がこういうセリフを言いたがることも、LLRが置き換えるネタをよく作ることも知っていたが、このネタを作る動機が「セリフを言いたい」だということがとても興味深い!!
勝手にネタを分類していたけれど、見ている側の分類と作る側の分類は違うのかもしれない。というか、発想の段階での分類と実際に出来上がったときの分類がありそう。

  • 初めての海外旅行

36歳にして海外旅行に行ったことがないから行ってみたい、というネタ。行きたい国やそこでやりたいことなどを語る福田に、伊藤が「それはおかしい。普通は違う」と諭すのだった。その伊藤の理論がとても面白かった。
このネタに関して福田は「漫才は生き物。漫才が現実に近づいていく」とまたキザなことを言っていた。ようするに、「彼女が欲しい」とかそういうネタを36歳の男がするのはもう不自然だから現実に即したネタを作った、ということらしい。
竹内と松浦がこのネタを見ていて、福田がコンゴ共和国に行きたい理由を聞いた伊藤が「生意気言うな!」とツッコんだところで、舞台袖では「おー」という声があがったと話していた。竹内が自分なら「すぐ行け!」とツッコむだろうと言うのだった。
芸人側はそういう風に見るんだな!おもしろい〜

  • ギャンブル

ギャンブル依存の友達がギャンブルをやめるというので…というネタ。途中福田がお客さんのことを「チクリ顔」と言ったのが可笑しかった。
このネタについては「一見普通のネタだけど新しい」と福田。昔話のその後、白雪姫の続編みたいなことだ、と語っていた。普通そこで終わるはずが、その後の部分を漫才にした。普通なら「ギャンブルやめねーよ!」で終わるが、自分はその後をネタにしたと説明していた。
新ネタとしては最後のネタで、5本全部タイプの違うネタにしたんだな〜というくらいしか感想がなかったが、この説明を聞いて(説明自体はよくわからない)、こちらには伝わらない福田の工夫があったのだな、ということが伝わってきた。物語のその後をネタにすることが新しいとは思えないが、多分ニュアンスが違うんだろうな…みたいな…

  • 結コンビ式

これはお客さんからのリクエスト。LLR二人とも内容を忘れてしまったようで、即興で意外とできるものが、というようなことを言っていた。結構有名なネタだけれど、覚えていないものなんだなーと思った。部分的には知っているボケもあって、まったく忘れてしまったわけではないだろうが…




とにかくここ最近の幕張ファクトリーで披露している新ネタとはちょっと趣が異なるネタを5本も見られてとても嬉しかった。しかも福田の解説つき!解説はふざけた調子だったし、竹内は「眠くなる」なんて言っていたが、客席はとても興奮していたと思う。少なくとも私はしていた。静まり返ってはいたが……





幕張ファクトリーSP 春風SP


LLRの新ネタだけ……

昨今バットマンvsスーパーマンなどのVSものの映画が流行っているので、ジブリのキャラクターでもやったらいいのではないか、というネタだった。といっても、それで大喜利してゆくネタではないのだった。2択のネタを思わせるけれど、全然違った。私はLLRのこういう感じが好きなのに最近あまりなくて寂しかったので嬉しかった。これについても解説を聞きたいところ。

  • テレビがんばれ

若者のテレビ離れが進んでいるが、テレビにがんばってほしい、と福田が言うのだった。伊藤のツッコミがLLRとしての自虐になっており、ついに自虐がネタに…と思った。テレビに出ていないヤツはテレビを語るな、という全国のテレビファンを敵にまわすネタでもあった。


企画の平野ノラクイズも面白かった。完