神保町花月「咆号」 2010.2.21


『咆号』を見てきた。

ピース又吉脚本ということで、行きたかったのだが気付いた時には全日売り切れ。
あきらめたところに追加公演があったので喜んで足を運んだのだった。

目的は又吉の脚本であったが、最も感動したのは平成ノブシコブシ吉村の演技だった。
一人で4役やっていたが、どれもよかった。すごく華があってかっこいい。
私はいつも神保町花月に行くと「もっとカッコイイ人があの役をやったらすばらしかろう…」という感想を持ってしまうのだが、その「カッコイイ人」こそ吉村だ!
他の出演者、綾部も徳井も渡辺直美もみんなよかった。

物語は、大きな流れに関しては色々解釈がありそうだが、細かい付箋は回収されていったので爽快だった。
私はすぐ「あそこ余分だった」とか思いがち。今回もそれが無いことはなかったが、全体の雰囲気で一瞬一瞬が大切な場面と思えるのが不思議だった。
「奥さんが実は旦那だったよ」というところは、配役の関係上必要なのかもしれないが余分な気がする。しかし吉村の妻っぷりがすばらしいので、「まあ、いいか」となってしまう。

脚本で一番すごいと思ったのは、見ていてこそばゆくないこと。これは結構重要なことだと思う。

こういうものは、今回の出演者でなければできなそう。5人の地力を感じた。
おもしろかった。