東京吉本若手漫才協会〜第1回・時事ネタ〜 2011.2.6


東京吉本若手漫才協会を見て来た。
待ちに待ったネタ編なのだった。
このライブは神保町花月で事前に公開作戦会議が開かれ、ネタのテーマを決める。そのテーマにそった新ネタを次回のネタライブで披露する、というもの。
作戦会議もネタ作りの裏側を見られる気がして楽しみだし、ネタライブでは新ネタが毎回見られるなんて嬉しい。
とっても期待していたし、期待通りどのネタもみんな面白かった。



以下ネタの感想


タモンズ都知事は誰がいいのか」
タモンズは普段の漫才もコントに入らず、2人の立ち話スタイルだからか、とっても自然で面白かった。
(雑誌に貼られた)緑のテープにこだわるところとか、それを剥がさずに覗こうとするしぐさとか想像できるのが可笑しかった。
2人が本当にそこら辺の道端で話しているようなのがすごい。


エリートヤンキー青少年育成条例
今回の漫才は2人の会話が自然な感じでとても好きだった。「なんとかをやってみたい」という風にしてコントになるとエリヤンの漫才は不自然に見えてしまって、なんとなく私の集中力がなくなる傾向にあるけれど今回は違うのだった。
ドラえもんサザエさんすらも条例に引っかかってしまうだろう、という内容で、いろいろな打開案を出していたけれど、結構本当にありそうな話である。
あまりにも会場がウケていたので、聞こえなくなってしまう部分があって残念だった。一言も聞き逃したくないと思っているのに、理解できない部分があって悔しい。面白いからウケるし、笑い声も大きくなるのだから難しい問題である*1エリヤンはよくそういうことがあるので、いつもウケているんだろうな、そして漫才に中身がいっぱいつまっているのだろうな、すごいな!と思う。


LLR「相撲八百長問題」
オープニングトークで後輩とネタがカブらないように、相撲のネタを用意してきたけれど変えます。と言っていたわりに、「やっぱり相撲でいい?」とカワイコぶった口調で漫才を始めるのだった。
相撲と聞いて少しいやな予感がしたけれど、しっかり新ネタでとても面白かった。
前半は八百長に利用されたメールのやりとりをアレンジしてボケを並べていき、後半は「相撲も他のスポーツも多少の八百長はある、お笑いも同じだ」という伊藤の発言に福田が怒る、という内容だった。
前半の正統派っぽいつくりの中に「メールの間がおかしい」などの伝わりづらい部分も入っていて、それがなんともLLRらしくて可笑しかった。
後半はかなりふざけた感じで、短くも出来そうだけれど不条理で面白かった。相変わらず、長かったな!


井下好井流行語大賞の言葉」
無理やり会話に流行語をまぜるというのは、よく井下好井の漫才で見かけそうだと思った。私が勝手に井下好井はすごく正統派な言葉遊びをよくしているというイメージがあるので、その所為だと思う。瞬間的に意外な言葉が飛び出すことがときどきあって、そういうときがとても面白いと思う。


若月「相撲八百長問題、KARA」
若月が相撲のネタをするからLLRはネタを変更すると言っていたのに、そのまま相撲のネタをしたので、内容がカブることに。それでもアプローチが全然違うので面白かった。
今回はものすごくブラックなことを言っていてとても面白かった。とはいうものの、詳細な内容は忘れてしまった…。本当に面白くて笑ったはずなのに…。


デスペラード「イラン、ロックバンド解禁」
デスペラードが出ることを知らなかったので、いることを知ってとてもテンションがあがった。
相変わらずブラックなイスラムジョークが可笑しくてもっともっと聞きたいと思ってしまう。
サラミがふわっとしていて、少し残念だったけれど、普段のネタも時事ネタみたいなものだと思うので、その分完成されていた気がした。


えんにち「薬物問題」
薬で捕まった芸能人をあげ、他にも薬をやっていそうな人の名前を言うなど、結構披露する場所を選ぶ内容だったがとても面白かった。最初の方でとても可笑しいやりとりがあって、私はそれにハマってしまいしばらく苦しかった。
えんにちはそんなに贔屓にしているコンビではないけれど、やっぱり薬のネタをさせたら面白いのか…。


トレンディエンジェルK-POP
いかにもキャピキャピした内容の漫才なのに、トレンディエンジェルが演じると面白いのだった。ハゲで文字る数々の言葉は、もはや全然上手くないけれど、それが面白く感じてしまったり…。


ブレーメン「政治」
今回出てきたコンビで時事ネタに最も向いていないコンビなのかもしれない、と思った。
時事ネタというか、このライブの企画のようにテーマを決めてネタを作ってくる、というのはブレーメンにはなんだか違いそう。器用なところが全然なく危ういことこそブレーメンだと思うのだった。
しかし、今回も「器用に時事ネタを作ってこよう」という小手先のワザに頼る感は全くなかったので、今後同じようにやっていったら、奇跡的に恐ろしく面白いネタが見られるかもしれないとも思うった。楽しみ。


トンファー「サッカーアジア杯」
ブレーメンとは逆にトンファーはとっても器用だと思うのだった。
山西のツッコミフレーズがいつも面白くて、でもそればかりではなくて、小浜の悪戯そうな感じがまた面白い。今回は特に小浜の悪戯顔の可愛らしさを前面に押し出した内容だった気がする。
色々できてすごいと思った。


天狗「エジプトの大統領演説」
アメリカの大統領演説を通訳するネタのエジプトの大統領バージョンだった。アラビア語は分からないということで、事前に川田が紙に内容を書いてある。それを横山が川田のアラビア語風の言葉に合わせて読んでいた。
そういうところは、なんとかつじつまを合わせていたけれど、若干の無理やり感はいなめず…。しかし、川田の適当アラビア語はそれだけ聞いていてもちょっと面白かった。


囲碁将棋「AKB」
AKBから派生したSKE48NMB48を知っているかどうかの攻防、といういかにも囲碁将棋な始まりから下ネタへ。
くだらなくて面白かった。なんとなく堅そうな時事ネタをここまでしょうもなくするのは、とってもへそ曲がり。
人と同じことはしない!という強い意志があるんだろうな、と思った。時事ネタといっても中身は色々だなぁ。


マヂカルラブリー「火山」
しっかりコントに入った漫才だったのはマヂラブだけだったと思う*2。マヂラブが喋くり漫才をしているところは想像できないので当然だけれど…。そう考えるととっても異質な漫才師なんだなぁと思う。
いつもながら突飛なアイディアで火山の噴火を乗り切ろうとする野田にノリつつ、ヒステリックにお説教している村上が可笑しいのだった。途中出てきた「だからじゃない?」という野田の台詞で大笑いした。


ロシアンモンキー「スポーツ」
スポーツ全般というテーマだった。斉藤祐樹のユウちゃんという呼び名で、しつこくボケていて、面白かったけれど、中須が少しネタを間違えたとのこと。
その先は少し違う方向へネタがいったと思うけれど、内容を忘れてしまった。ライブの時間が長くなっていたからか、他に比べるとネタ時間がとても短かった。
器用なロシモンだから、しっかり時事ネタをやったらおもしろそうなのに、ちょっと残念だった。


最初の3組、タモンズ、エリートヤンキーLLRが特に面白かった。*3
全部面白かったけれど、集中しすぎて後半は若干見ているのに疲れてしまった。もう少し組数が少なくてもよいかな、と思った。
次回は何のテーマになるのか楽しみ。また行きたい

*1:こんなことで真剣に悩んでいるのは私くらいか…

*2:天狗もそうかな…

*3:疲労の所為もあるかもしれないが