マキシマムパーパーサム単独ライブ「Q」


マキシマムパーパーサムの単独ライブに行ってきた。
ブリッジ映像に力が入っていて、準備に時間がかかっていそうだけれど、内容的にはとても緩いのだった。その緩さこそがマキパの個性なのだと思った。


以下ネタの感想(順番、タイトルなどは適当…)


マンガの話をハゲながら…(漫才)
以前ストロングナインで見かけた、とにかく長澤が帽子を脱いで話そうとするのを、つよしが必死に「ハゲたままじゃダメだ」と言って帽子をかぶらせようとする漫才。ハゲ頭が気になって話が頭に入らない、なんていうことは普通は無いけれど、マキパの世界ではそうなのだ。面白すぎる。


トランペット少年(漫才)
ショーウィンドウに飾られたトランペットを見つめる少年に「買ってあげよう」と言ってあげられるような大人になりたい、という漫才だった。斬新さとかキレとかそういうものは皆無なのに、ただただくだらなくて可笑しい。


それ、そこにいれるの?(コント)
温泉に来たカップルの話。彼女が持ってきた旅行グッズが、ケースと中身がちぐはぐになっている、という内容だった。眼鏡ケースにパンが入っていたり…。日常的なものが日常的なものの中に入っているのに、なんでこんなに可笑しいのか…。長澤の演じる女子はリアリティがあってよいと思う。


チャンプア・ゲッソンリット21歳(コント)
結婚式のスピーチをするタイ人青年チャンプア・ゲッソンリット(つよし)。つたない日本語で話すけれど、色々忘れてしまうのだった。このつよしがとっても面白かった。たいしたことは言っていないのに、つたない日本語とクオリティ低く黒く塗られた顔と困ったときにでる森進一顔だけで、ゲラゲラ笑ってしまった。


エヴァンゲリオン(漫才)
エヴァの好きな2人がやってみたいシーンをするのだった。こういう一点押しはマキパの1つのスタイルだけれど、この漫才で出てきたフレーズは、最初あたかもつよしから自然に出てきたように感じさせられて、上手だなー、と思った。


長澤のお気に入りポニョ(コント)
2008年の単独でもやったコントを長澤がお気に入りなのでまたやります、という字幕がでてはじまるのだった。ポニョの曲とともに長澤がつよしに飛びつく、それだけのネタだけれど、でかい長澤が小さいつよしに飛びつく姿は面白すぎる。


マリオとテレサ(コント)
マリオとテレサの再現が絶妙だった。ピクニックがでていた。


浦島太郎(漫才?)
以前からよくやっている浦島太郎の漫才を「ちゃんとやろう」ということで、つよしに浴衣を着せ、次々に色々なキャラクターが出てくるのだった。ロシアンモンキー、ピクニックも登場していた。これは…この漫才を知らない人は全然わからないのでは?!あはは。単独だしよいのだろうな。さすがである。




ブリッジ映像

  • 「ねこあるある」
    長澤がネコとなって(全身タイツ)で本当のにはネコあるあるを再現するのだった。無表情でのネコを演じる長澤が可笑しかった。
  • 「いっちょ、やってみよう」
    いろいろな無理難題に2人でチャレンジしていた。すべて失敗していたが、それが当たり前の内容で2人がふざけあいながら挑戦する姿は面白いのだった。お酢を大量にかけた中華そばを噴出す姿に大爆笑した。
  • 「つよしどっきり」
    つよしの家に数々のいたずらをして、いつそれがドッキリだと気づくか…?という内容だった。結局全然気づかない鈍感さが可笑しい。そして長澤がほどこすイタズラもほのぼのしていて面白い。


多分時間をかけて撮ったのだろう、と思う。どの映像もみんな面白かった。これを見せるためのライブであった、と言われてもおかしくないくらいだった。
最後のエンドスクロールも凝っていて、「今回ボツになった企画」というものが流れるのだった。文字だけ読んでも面白い企画の数々だった。あのようなものを考えるのが長澤は大好きなのだろうなぁ。



基本的にマキパのネタというのは最初の思いつきだけなのである。ほんの少しの小さなテーマだけで1つのネタになるのだった。とってもくだらないけれど、私はマキパのそういうところが好きだなぁ、と思った。
ときには、そのテーマを知っている人だけしか対象にしていないネタもあるが、それでも面白いのは、万人に向けていないことすらボケだからなのかな?
コントを初めて見たけれど、それもやっぱり同じつくりでとても面白かった。むしろ漫才よりコントの方が面白く感じた。
そして今回特に思ったのは、ブレーンである長澤が面白いのはもちろんだけれど、つよしってスッゴクできる人なのだな!いうことだった。普通のこともつよしにかかると面白くなる。どんなときも面白い方向へ持っていく。
あまりにも2人の仲の良さをアピールする芸風は少し食傷気味なのだけれど、マキパに関してはそれが面白いと思うのだった。長澤の見た目が少しでも良かったら、それはあざとく感じるかもしれない。例えばポニョのネタを他のコンビがやったとしたら、それはちょっと考えものである。(たとえばLLRがやったら嫌いになると思う…)
自分達ならば、それが「かわいい!」という台詞にならずに「面白い」と捉えられることを分かってやっている気がする。そういう若干の自嘲と世間への反骨心を勝手に感じたのだけれど、思い過ごしかな…

楽しい単独ライブだった。とても面白かった。