東京吉本若手漫才協会本公演 2012.5.25

東京吉本若手漫才協会本公演にいってきた。今回のテーマは「勉強」ということで、各組、学校で習う教科の中から1つ選んで漫才のテーマにしていた。


以下ネタの感想

松浦が竹取物語のあらすじを語って、それに小川が茶々をいれていくようなネタだった。私が見たことのあるスパイクのネタは大体コントに入る漫才だったが、今回は違った。あまり見る機会がないのでなんとも言えないけれど新鮮に感じた。単純なのだけれど、小川の茶々に松浦が乗るので、なんだか変な世界になって面白かった。

  • 井下好井『日本史』鎖国

好井が、日本史は得意ではないが鎖国には興味がある、今鎖国したら大変だ!と言って、鎖国したらこうなる、という予想をしていくのだった。
「野球で英語が使えなかったら…」などと言うので、「えーそんな使い古された…」と思ってしまったが、その日本語への言い換えが本当にバカらしくて可笑しかった。井下が冷静に「それは打者でいいやん」とツッコんでいたのを聞いて、簡単に日本語に言い換えられるのに、そこを変なしゃべり言葉のような日本語に言い換える、という二重のボケになっているのかー、と分かった。全体的にそういう感じで、すべての話の取っ掛かりの部分*1で「鎖国しても、そうはならないのでは…?」と思ってしまい、モヤモヤするのだが、その設定さえ忘れれば単純に可笑しい言葉遊びだと思えた。

算数が苦手だという野田に村上が簡単な文章問題を出すのだが、答えを出すためにその内容を忠実に再現するもそれがおかしな方向に……
再現に熱中するがゆえに、途中でしっかり正解を口にしつつ、狂気の方向へ突っ走ってゆくのがとても面白かった。村上は「今答えでたよ」などと、野田の演じる世界の外側からもツッコむが、それとなくその世界の中に入りつつツッコむこともしていて、良いなーと思った。

  • こりゃめでてーな『音楽』ヒップホップ

翼をください」をヒップホップ風にしていた。上手いのか上手くないのかよくわからなかった。多分「上手く出来ない」ということだったのだと思う。


  • 囲碁将棋『英語』英語の例文はおかしい

英語の教科書にでてくる例文はおかしい、と言うのだった。
そんなのそんなの…ありがちなどこかから調べてくればよいあるあるを囲碁将棋がやってしまうの…?と思ってがっかりしたら、そこから思いも寄らないもう一つ上回ることが!!さすがだなー!!すごいなー!!後半はその驚きを上回ることがなかったけれど、改めて囲碁将棋って面白いよね…、と思った。

今使われていることわざは古くて理解しづらいので現代風に変えよう、というネタだった。
現代風に変えるというよりは、そのことわざの意味に合う最近のことを羅列している感じだった。

  • LLR『数学』昔話を数学的見方で

以前の昔話のお題のときのネタを作り変えたようなネタだった。
大分違っていたので、良いのかもしれないが、完全な新ネタを期待していたので、少しガッカリした。フリートークのようなネタだけれど、最終的に「地球……」とまとまるのが上手くて、でも「上手い!!」と手を叩くほどではない、というのが、程よいのだった。結局面白い……

道徳の授業のように「こんなときどうしますか?」と山西が小浜に聞くが、その答えは道徳的とはいえず……というネタだった。
小浜の答えは教科書どおりに間違っているというか模範的な間違い方で、最後の山西の逆転のためにあえて、そこに意外性を組み込もうとしないのだろうと思った。まじめにしっかり練って作っている感じがした。最初から最後まで割りと予想通りに進むので、なんだか小ぶりなネタに感じたけれど、それでも面白いと感じるのは、山西から出るワードが面白いのと、小浜の答える姿が“本当にそう思っているように見える”からかな、と思った。

裁縫が趣味だが、そんなのお笑い芸人になんの役にも立たない、と言うのだった。しかし、中須のするお笑いの話をよく聞いてみると裁縫の用語が…
とてもウケていた。私は、裁縫用語とお笑いの話に出てくる言葉のどれとどれが似ているのかがよくわからず、一生懸命聞き逃さないようにしたが、結局わからなかった。きっと上手かったんだろうな…

  • 天狗『算数』円周率

円周率を100桁くらいまで覚えているという川田が数字を言ってゆくのだが、横山には正解が分からない…というネタだった。
最初の部分が面白かった。最後の無理矢理感は天狗の特徴をだそうとしてのことなのかな?

  • ゆったり感『ダンス』Yah-Yah-Yah

上半身を鍛えるために、「ヤ」と「ジュウ」と「?(もう一つなんだったか忘れた…)」の3つの言葉に振りを付けて、その曲を歌おう、と言って、チャゲ&飛鳥の「Yah-Yah-Yah」を歌いながら実践していた。
ゆったり感は、自分たちでルールを作って遊ぶのが好きよね〜、と思った。それでも独りよがりにならないで見せることができるのだから、すごいと思った。

理科が得意だったという斎藤がたかしにそれを教えるのだが…
もう…なんというか、理科というテーマだけれど、その必要がまったくない、ギャグの嵐なのだった。それなのに私はこんなに笑ってしまって、どうしましょう…と思った。展開に妙のあるネタを異常にリスペクトする傾向のある私なのに、トレンディエンジェルの漫才が大好きなのはどうしてなのか…、と頭を悩ませるのだった。ギャグの羅列のようでいて決してそうではなく流れがしっかりあるところ、ギャグに対してたかしが至極真っ当にツッコむこと、その真っ当なツッコミに斎藤が真っ当に答えるところ、かな?多分物凄く上手くできているんだ…と思う…

「前へ習え」などの体育で使われる号令をかけたいとアイパーがそれをして、望月を動かすのだった。
号令の部分の前に、保健の授業をしてみるというくだりもあり、そこの「クスリ絶対いけません」として、アイパーの唱える明らかに逆の説明が可笑しかった。

  • タモンズ『地理』安部ちゃんは地理を専攻してた

地理が得意だと言う安部が、そんなもの役に立たないと言う大波をやり込めようとするのだった。
タモンズはよくこういう攻防をネタにしているが、その場合大波が優勢なのがほとんどだが、今回はかなり安部が優勢だったような気がする。すっとぼけた安部の表情は面白いな!

*1:ヘンゼルとグレーテルを日本語名にするなど